今日は、毎朝気が重そうに出勤するご主人を、ずっと見守ってきた奥様からのご相談です。
─ ご相談内容 ─
仮名:奈美さん
年齢:39歳
性別:女性
奈美さん(仮名)、39歳。ご主人の仕事について相談したい、というのがご相談のきっかけでした。
ご主人は長年、倉庫内の作業員として働いてきました。体を動かしながら、自分に与えられた仕事を着実にこなしていく。そういう働き方が、ご主人には合っていたようです。
ところが少し前から、職場の体制が変わりました。現場から管理職へ。チームをまとめたり、後輩の指導をしたり、業務の改善策を考えたりすることが、主な仕事になっていきました。
会社に入ってから数十年。中堅クラスという立場もあり、「できません」とはなかなか言い出せない。毎朝、気が重いまま出勤する日が続いています。
趣味は木工です。休日に家具や小物を作るようになって1年ほど。細かい作業も丁寧に仕上げる姿を見て、奈美さんは「職人気質だな」と思っていたそうです。
「このまま今の会社で頑張るべきか、木工や家具に関わる仕事に転職してもいいのか。子どもも2人いるし、今と同じ生活を維持できるのかも心配で」——それが、奈美さんのご相談でした。
─ 鑑定結果 ─
奈美さん、ご相談ありがとうございます。
奥様がご主人のことを心配して相談してくださった、その気持ちが伝わってきました。
写真を拝見して、私が感じたのは——ご主人は、穏やかで誠実な方だということです。人に合わせることができて、摩擦を起こさない。でも、自分の内側に何か大切にしているものがある。そういう印象を受けました。
今日は、ご主人が今感じている苦痛の正体と、これからの方向性についてお話しさせてください。
■ 今の仕事が合わなくなってきた理由
写真から感じたのは、ご主人の仕事への苦痛の原因がはっきり見えているということです。
一言でいうなら、「人をまとめなければならない立場にいること」が、今の苦痛の根本になっています。
ご主人は協調性があり、人付き合いは問題ありません。周りと揉めることもなく、チームの中で自分の役割を果たせる方です。
ただ、「人を引っ張っていく」「チームをまとめる」「後輩を指導する」——これが性に合っていない。
人には向き不向きがありますが、ご主人の場合、誰かの後ろについて全力でサポートすることは得意でも、自分が前に立ってグループを引っ張ることには強い抵抗感がある。
これは能力の問題ではありません。性質の問題です。
例えばこういう場面を想像してみてください。
後輩から「どうすればいいですか?」と聞かれたとき、ご主人はどう感じているでしょうか。「自分が答えを出さなければ」というプレッシャーが、じわじわと積み重なっているのではないでしょうか。
一方、「これをやっておいて」と明確に指示された仕事を、丁寧にこなしているときは——きっと、プレッシャーより充実感の方が大きいはずです。
この差が、今の苦痛の正体です。
少し視点を変えてお話しさせてください。
「リーダーシップがある人」と「サポートが得意な人」、どちらが優れているかという話ではありません。どちらも必要で、どちらにも価値があります。
問題は、サポートが得意な人をリーダーの立場に置いたとき、本人が消耗するだけでなく、チーム全体にも影響が出てしまうことです。
ご主人のような、黙々と丁寧に仕事をこなす方が、現場の第一線で活躍することで、チーム全体の土台が安定します。
逆に、そういう方を「まとめる役」に据えると、本人も周りも、どこかちぐはぐな感じが続いていく。
今のご主人の職場でも、似たような状況になっているかもしれません。
■ ご主人の本当の適性
写真から感じたご主人の性質を、正直にお伝えします。
職人気質、です。
自分に与えられた仕事を黙々とこなす。細部にこだわる。丁寧に、着実に積み上げていく。そういう仕事の仕方が、ご主人には染みついています。
陶芸家を想像してみてください。人を育てることがメインではなく、作品に向き合うことがメイン。誰かに指示を出すのではなく、自分の手で作り上げることに喜びを感じる。
ご主人はそちらのタイプです。
奈美さんが「職人気質だな」と感じていたのは、正しい直感だと思います。木工で家具や小物を作るとき、細かいところまで丁寧に仕上げているその姿が、ご主人の本来の姿です。
昔、現場で作業をしていた頃の方が、生き生きしていたのではないでしょうか。役職がなく、自分の仕事に集中できていた頃の方が、表情が違ったのではないかと思います。
現場で作業をしていた頃のご主人を思い出してみてください。黙々と体を動かして、与えられた仕事を丁寧にこなしていた頃。その姿が、ご主人の本来の姿です。
職人気質の方というのは、「自分の仕事に誇りを持てるかどうか」がモチベーションの源になります。「これは自分がやり遂げた」という実感が、次への力になる。
管理職として「チームの成果」を求められる今の立場では、その実感が得にくい。自分が直接手を動かすわけではなく、人を通じて結果を出さなければならない。それが、ご主人には合っていないんです。
■ 「人をまとめること」の苦手意識について
苦手なことも続ければ慣れる、という考え方もあります。でも、性質に反することを強いられ続けると、慣れるより先に消耗していく場合がほとんどです。
毎朝、気が重い。職場に向かう足が重い。それは、ご主人の体と心が「これは自分には合っていない」とサインを出しているということです。
長年にわたってその状態が続くと、仕事だけでなく家での様子にも影響が出てきます。疲れやすくなる、表情が硬くなる、家族との時間を楽しめなくなる——奈美さんが感じていることの中にも、そういう変化があるのではないでしょうか。
ご主人が今感じている苦痛は、努力が足りないからでも、意志が弱いからでもありません。性質に合っていない仕事を、毎日続けているからです。
■ 今後の方向性について
今の会社で続けるとしたら、3つの選択肢があります。
一つ目は「苦痛と向き合いながら続ける」こと。管理職として求められることを、覚悟を持って引き受けていく。ただし、性質に反することを続けるわけですから、相応の苦労が伴います。
二つ目は「役職を外してもらうことを相談する」こと。プライドや世間体を考えると簡単ではありませんが、自分の性質に合った働き方に戻ることができれば、仕事への充実感は取り戻せます。
三つ目は「転職する」こと。特に、木工や家具に関わる仕事は、ご主人の職人気質が存分に活かせる可能性があります。
木工や家具に関わる仕事は、職人気質の方にとって天職になりやすい分野です。素材と向き合い、手を動かし、作品として形にしていく。その過程に喜びを感じられる方には、これほど充実感を得やすい仕事はありません。
また、転職を考える際に一つ付け加えさせてください。
「好きなことを仕事にする」ことと「向いていることを仕事にする」ことは、必ずしも同じではありません。
ただ、ご主人の場合、木工への関心と職人気質という性質が重なっています。好きで、かつ向いている——これは、転職を検討する上でかなり強い根拠になります。
多少の収入の変化より、「毎朝起きるのが楽しみな仕事」を持てることの方が、長い目で見ると家族全体の幸せにつながっていくと私は思っています。
ただし、転職先でも「どういう立場で働くか」を必ず確認してください。
職人として手を動かす仕事なのか、製造管理や後輩指導が主な仕事なのか。同じ木工・家具の世界でも、求められる役割によって、ご主人に合うかどうかが大きく変わります。
いずれにしても大切なのは、「得るもの」と「失うもの」を整理した上で、覚悟を持って決断することです。中途半端な状態のまま時間だけが過ぎていく、という状況だけは避けてほしいと思います。
■ お子さんのことについて
経済的な不安は、当然あると思います。子どもが2人いれば、収入が変わることへの心配は大きい。
ただ、一つだけ伝えさせてください。
お子さんにとって一番影響が大きいのは、「お父さんが笑顔でいるかどうか」です。裕福かどうかよりも、家にいるお父さんが楽しそうかどうか——それが、子どもの心の安定に直結します。
毎朝、憂鬱そうに出勤して、疲れ果てて帰ってくるお父さんの姿より、多少収入が減っても、充実した顔で帰ってくるお父さんの姿の方が、お子さんにとってどれだけ心強いか。
その点も含めて、ご家族でゆっくり話し合っていただければと思います。
■ 奈美さんへ
最後に、奈美さん自身へのことも少し触れさせてください。
ご主人の苦痛を見ながら、「どう声をかければいいかわからない」「下手なことを言って傷つけたくない」と感じてきたのではないでしょうか。
企業勤めの経験がないと、仕事のことを深く理解するのは難しい。だから、ご主人の苦しさの原因がわかっても、「それでどうすれば」という具体的な言葉が出てきにくかったと思います。
でも今回の鑑定で、ご主人が苦しんでいる理由がはっきりしました。
「あなたが弱いわけじゃない。性質に合っていない仕事をしているから苦しいんだ」——そう伝えてあげてください。
それだけで、ご主人の気持ちがずいぶん楽になるはずです。
また、ご主人が「自分で決めること」が苦手な方だとしたら、転職するかどうかという大きな決断を一人でさせようとすると、かえって動けなくなってしまう可能性があります。
「こういう選択肢があるよ」「一緒に考えよう」という形で関わってあげることで、ご主人も動き出しやすくなると思います。
奈美さんの存在が、ご主人にとっての羅針盤になれると思いますよ。
■ 最後に
ご主人が今感じている苦痛は、本物です。
奈美さんがご主人のことを「職人気質だな」と感じていた直感は、正しかったと思います。その気質を活かせる場所に身を置いたとき、ご主人は別人のように生き生きするはずです。
まずご主人が「自分は人をまとめることが苦手なんだ」と認識することが大切です。それが腑に落ちれば、今の苦痛の意味がわかり、これからどうしたいかを考えるスタートラインに立てます。
ご主人が自分の性質に気づき、覚悟を持って動き出したとき、奈美さんはその一番の理解者でいてあげてください。それが、今のご主人に一番必要なことだと思います。
覚悟を持って動き出せば、道は必ず開けます。奈美さんも、ご主人の背中を押せる存在でいてあげてください。
─ ご感想 ─
鑑定結果を読んで、ずっと靄がかかっていたものが、晴れたような感じがしました。
主人がしんどそうにしているのはわかっていました。でも何がそうさせているのか、私にはわからなくて、ずっとモヤモヤしていたんです。
職場のことは私には見えないから、「もっと頑張れ」とも言えないし、「転職すれば?」とも軽々しく言えなくて、ずっとそこで止まっていたんです。
でも鑑定を読んで、「そういうことだったのか」とやっと腑に落ちた気がしました。
能力の問題でも、意志の問題でもなく、性質に合っていない立場にいるから苦しんでいるんですね。
実際のところ主人は、外食のお店を決めるのも面倒がるくらい「自分で決める」が苦手な人です。そんな人が、人をまとめる立場にいるのは、しんどいだろうなと思いました。
写真だけでそこまでわかるとは思いませんでした。
確かに休日に黙々と木工をしている主人の顔と、仕事の話をするときの主人の顔は、全然違うんです。あの顔で働ける場所があるなら、そっちに行けたらいいなと思っています。
得るものと失うものを整理して、覚悟を持って決める。
企業勤めの経験がない私では言えない言葉を、Takaさんに言ってもらえました。これを主人に伝えられたら、と思っています。
今後どうするか、主人と話し合えそうです。相談してよかったです。
─ ご案内 ─
ご主人のこと、お子さんのこと、家族のことで悩んでいる方も、一度ご相談ください。
写真から、本人も気づいていない性質や、今の状況の原因をお伝えします。

