─ ご相談内容 ─
仮名:華様
年齢:50代
性別:女性
私は介護福祉士として長年働いてきました。経験を重ね必然的にも管理職の立ち位置で仕事をしていました。高齢者施設でご入居者さんと関わることが大好きで、職員指導、育成や職員の良き相談相手でありたいと思い壁を作らないよう心がけてもいました。お陰で本当に良いスタッフに恵まれていました。
ところが家族経営であった為、施設長や管理者は母親と息子であり子離れ出来ない母と大人になれない息子の元で相当の苦労がありました。
スタッフの事はコマ、入居者さんの事は金としか思わず横柄に挨拶もせず高齢者の皆さんは怯えていました。皆さん仰っていたのは、ここは刑務所や…と。
私も我慢の限界でしたから変わってもらいたくて、何度も話をしましたが結局は親子でかばいあい見兼ねたスタッフは嫌になり何人も辞めていきました。
そして私も退職を決意したのですか、その日からパワハラが始まり仕事を奪われ無視をされ、ある事ない事を言いふらされ挙句に勤務中はずっと監視をされた事が一番きつかったです。ここまで人に悪意を持ってされた経験がなかったので人間が怖くなりました。
有休も取得は無理だとハッキリ人前で、あんたが勝手に辞めるんでしょ!と罵倒されました。どのスタッフも有休ろくに貰えず辞めていたのは知ってました。即日弁護士事務所に行き依頼をした結果、簡単に残日数取得許可が出ました。お金はかかっても、もうこれ以上許せなかったです。
何とか最終出勤日を終え今は有休消化中ですが、本当に苦しくて辛くて長い日々でしたが結果入居者さんもスタッフも救えず自分だけが逃げた結果に。
それなのに、また次の新しい施設でも管理職としての採用です。新規オープン施設なのでいろいろなスタッフが集まりチームを作っていく中で私やれるの?もう失敗してしんどなるのは嫌やな…でも大好きな仕事やから頑張りたい。
思ってる事、英雄気取りで誰かをかばって上であろうと言ってしまう。もう今度はそんな事せんと大人しく出しゃばらずしてたら嫌な思いしないで働けるのかなって思ったり毎日が葛藤です。
どうあるべきが正解ですか?でもね、スタッフや入居者さん悩んでたりする姿見たら何とかしてあげたくなるんです。余計なお世話ですよね。
人から良く思われたい私がいるんですかね?だから英雄気取りだったんですかね?何を言っているのか自分でも訳わからなくなります。
ただ次の職場で失敗しない、私なりの人との関わり方が知りたいです。よろしくお願いします。
─ 鑑定結果 ─
華さん、
ご相談ありがとうございます。
また、ご心境を含め、ご状況を詳しくお話しいただき、ありがとうございました。
本題へと入らせていただく前に、少しご相談内容を整理させていただきますね。
「介護福祉士として管理職を経験し、入居者やスタッフのために尽くしてきたが、前職では家族経営の問題により苦しい状況を強いられ、退職に至った。その経験から、人間関係に対する恐怖や葛藤を抱えつつも、新しい職場でまた管理職として働くことに不安を感じている。
自分の正義感が時に『英雄気取り』に見えるのではと悩み、これからの職場で失敗せず、適切な人との関わり方を知りたい。」
これまでの経験を読ませていただき、華さんがどれだけ真剣に仕事と向き合い、周りの人を大切にしてきたのかが伝わってきました。前職での出来事はとても辛いものですね。
新しい環境でどう振る舞うべきか、どうすれば自分らしく働けるのか、今後の方向性を定めるきっかけになりましたら嬉しく思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
退職となった理由
現在、華さんは「こうなったのは自分の力不足だ」と過去の経験を否定的に捉え、引きずってしまっている状態です。
このままでは「本来の華さんの良さ」を十分に発揮できないまま、新しい環境へ進むことになります。
それでは良い結果につながりにくいため、まずは「華さんが退職に至った理由」について、お話をしていきたいと思います。
前職での出来事を振り返ると、華さんは 「人として当たり前のことを守りたい」という想いだったと思います。
でも、施設長や管理者は、「自分たちの都合のいいようにしたい」 という考えの人達だった…
このギャップが、「どうしてこんな人たちが施設長や管理者なの?」 というやるせない気持ちになっていった…
そして、施設の体制を変えられなかったことで、『誰も救えなかった』という無力感を抱いていらっしゃるのだと思います。
でも、それは 華さんの力不足ではありません。
華さんが、できることはやりきったから「卒業」のタイミングが訪れ、「退職」という結果になったんです。
「なぜ、卒業だと言えるのか?」
「卒業なんて、綺麗ごとではないのか?」
もしかしたら、このような気持ちを抱かれたかもしれませんが、華さんを励ますために嘘をついている訳ではありません。
根拠はちゃんとあります。
少しスピリチュアルっぽい話になりますが、これから話す原理と言いますか、考え方を持っておくと、今後の管理者業務を行う上でもプラスになると思いますので、少し説明をさせていただきますね。
人は「自分にとって必要な経験をするための環境」に導かれます。
高齢者施設で働いているスタッフも、そこに入居しているお年寄りも、何かしら必要な経験がそこにあるから、その施設にいます。
これは単なる偶然ではなく、その人たちが「学ぶべきこと」や「乗り越えるべき課題」、「何らかの因果」があるから、その場所に導かれているということです。
前職の施設は、施設長や管理者がひどい対応をしていたことで、働く人も入居者さんも大変な思いをしていると思いますが、それも学びや気づきの一つ。
そんな環境でしか得られない気づきや学びがある…。
人の心としては、受け入れがたい考えかもしれませんが、どうか冷静に考えてみてください。
いくつか具体的な例をあげてみますね。
- 施設の問題点を目の当たりにし、人として何が大切かを考えるきっかけとなる
- 利用者さんの気持ちを無視した対応を見て、「本当に大切なのは人の尊厳を守ることだ」と実感する
- 上司の理不尽な態度に苦しむ同僚を見て「支え合う仲間の大切さ」に気づく
- 管理者が適当な対応をしているのを見て「リーダーとはどうあるべきか」を深く考えるようになる
- 現場が混乱している中で、「自分ができることを精一杯やることの大切さ」を学ぶ
- 「こんな職場にしたくない」と思い、将来自分が管理職になったときの理想像を持つようになる
- 早々に見切りをつけて退職する勇気を持つことの大切さに気づく
- 「この環境では自分が成長できない」と気づき、環境を選ぶことの大切さを学ぶ
- 「働く場所を変えれば、もっと良い職場がある」という事実を知り、視野が広がる
- 「仕事を辞めることは逃げではなく、自分を守るための選択肢だ」と実感する
- 転職先で「前職では当たり前だった理不尽さが、実は異常だった」と気づき、より良い職場環境を見極める力がつく
- 「苦しい環境に長くいることより、自分を大切にする決断が必要なこともある」と学ぶ
- 若い頃、気性の荒かった入居者さんであれば、雑な扱いを受ける中で、自分の犯してきた罪を振り返るきっかけになる
- 「この経験を通して、家族や周りの人に何かを伝えられるかもしれない」と思い、日々を大切に過ごすようになる
- 「最期に後悔しないように、今のうちに家族や大切な人に伝えたいことを伝えよう」と思う
- 「若い頃は人に頼らずに生きてきたが、今は誰かに助けてもらわないと生活できない」という現実に直面し、受け入れる大切さを学ぶ
- 施設の対応が冷たい中でも、親身になってくれる職員や他の入居者がいることで、「本当の優しさとは何か」を改めて考える
一人一人の性格や学び、課題も異なりますので、必ずしも上記に当てはまるとは限りませんが、その環境での経験が、それぞれの人にとっての「何らかの気づきや学び」になっているから、その環境にとどまるように導かれているんです。
私だってそうです。過去、7年間、理不尽なパワハラを受け続け、生きるか死ぬかの瀬戸際まで追い込まれましたが、その経験から学んだこと、気づいたことがあったから、今の私がいます。
パワハラの経験がなかったら、私はいつまでも「人の顔色を伺う人生、自分の意志を持たない人生、人生を切り拓く大切さに気付かない人生」を送っていたことでしょう。パワハラなんて、絶対に許せませんし、肯定なんかしたくない!というのが人の心理ではありますが、「そんな環境から学んだことがあるのも事実」
「パワハラを受けたのに、それはまったく無意味だった」と思いながら生きる方が、私には地獄です。「気づきや学び」を得て、その先に成長があったからこそ、私は今、こうやって生き続けることができています。
話を戻しますが、どんな環境であれ、人は『自分にとって必要な経験を積むための環境』に導かれるものなんです。
ですので、華さんがどれだけ頑張っても、相手が学びを終えていない限り、救うことはできません。
残してきたスタッフ、入居者さんのことを思うと、心が苦しくなるかもしれませんが、その人たちにはその人たちの学びと気づきのタイミングがありますので、華さんが責任を感じる必要はありません。
「早く気づいて、成長できるように祈ってるよ」こうやって気持ちを整理し、これからは「華さんの人生」に軸を置いていきましょう。
「華さんの中で、学びや気づきが得られたのなら、前職での学びは終了=卒業」
人は経験を通じ、気づきや学びを終えてもいい段階に入ると、転職や転居などのステップに移ることができるようになりますが、学びの最中の人は、そこにとどまるようにできています。
だから華さんの力不足という問題ではないんです。
今いるスタッフや入居者さんを助けるには、トップを入れ替える必要がありますが、そのためには、資産家のような人が施設を買収してくれないと難しいですよね。
そういう人が現れないのは、今いるスタッフや入居者さんは、その環境で生きることに学びがあるからです。
このように学びを軸に考えると、華さんは「自分だけ逃げた」と責める必要がないことは明白です。
むしろ、華さんが勇気を出して声を上げたこと、そして最後までスタッフや入居者さんのことを考え続けたことは、誰かの心に残り、後々誰かの人生に大きな影響を与えると思います。
ですので、自分のこれまでしてきたことを肯定してください。
華さんが退職を決意し、環境を変えられたのは、前職での学びを終えたから…、ただ、それだけのことです。
これからは、「変えられないもの」に執着するのではなく、「これからの自分ができること」に目を向けてくださいね。
華さんの性質
華さんは 協調性があり、周囲の声をしっかりと聞ける人 。嘘がなく正直で、信頼もされます。そして、自分の意志をしっかり持ちながらも、常に周りの人を大切にし、寄り添うことができる。それが、華さんの強みであり性質です。
前職での経験を振り返ると、施設の環境が劣悪であったにも関わらず、華さんはスタッフや入居者さんのことを真剣に考え、寄り添い続けましたよね。
これは誰にでもできることではありません。
そういった性質の方は、管理職に向いていると思います。
管理職は、「人を管理する」立場ではなく、「人を支え、導く」立場でもあります。華さんのように、周囲の声をしっかりと聞き、嘘なく正直に向き合える人こそ、管理職にふさわしい人だと私は思います。
周りの声を聞ける → スタッフが安心して働ける環境を作れる
正直で嘘がない → 信頼されるリーダーになれる
周りを大切にできる → 人を支え、スタッフを良い方向へ導ける
前職では、経営者がその役割を果たさなかったために、苦しい思いをしましたが、今度は新規オープンの施設だからこそ、前職の経験を活かすことができる!そして、今度は華さんが中心となり、スタッフが安心して働ける環境を作ることができます。
今回の管理職の採用は 「これまでの経験と華さんの性質を存分に活かせる絶好のチャンス」かもしれません。
前職の施設では、「どういう環境がダメなのか」を目の当たりにしました。だからこそ、今の華さんは 「本当に働きやすい施設とはどんなものか」 を知っています。
この経験があるからこそ、 今度はスタッフや入居者さんが安心して過ごせる施設作りができます。
新しい施設では、 人間関係も、一緒に働くスタッフの雰囲気も、すべてゼロからのスタート です。
つまり、華さんの考えや働き方が、施設の文化や環境を作る大事な要素になる可能性があります。
前職の経験があったからこそ、「あのような環境にはしたくない」「こうすればもっと良くなる」 という考えを持つことができたと思うのですが、それは華さんにとっての「大きな強み」であり、これから活かすべき武器になります。
「華さんの性質 × 前職の経験 = 良い施設作り」
この方程式がある限り、きっとうまくいきます。
前職では苦しいことがたくさんありましたが、でも、その経験があったからこそ、今の華さんがあります。
そして、それを活かせる場所に導かれたのだと思います。
これは決して偶然ではありません。
必要な経験をしたからこそ、次のステップへ導かれているのだと思います。
今度は、華さんが 「こんな施設で働けてよかった」 と思えるような環境を作る番です。
今まで通り、華さんらしく、人を大切にしながら進んでくださいね。
最後に
ご相談文に書いてくださった部分にお答えさせていただきますね。

もう今度はそんな事せんと大人しく出しゃばらずしてたら嫌な思いしないで働けるのかなって思ったり毎日が葛藤です。どうあるべきが正解ですか?
「大人しくでしゃばらなければ嫌な思いをしないで働けるのかな?」と思う気持ちも分かりますが、それが自分らしさだと思いますか?
先ほど、華さんの性質をお伝えしましたが、そちらをご覧いただければ、どうあるべきか…何が正解か…自ずと答えはでるはずです。

でもね、スタッフや入居者さん悩んでたりする姿見たら何とかしてあげたくなるんです。余計なお世話ですよね。
介護士の仕事は「お年寄りの日常生活のお世話」だけではなく「メンタルケア」も仕事の一つですよね。そして、それができるのは「スタッフ同士のチームプレイ」があってこそ。
そのために、なんとかしてあげたくなるんですよね?
それの何が悪いのでしょうか?
人は「無関心」が一番傷つきます。
人は「興味を持ってもらうこと」で、喜び、頑張る意欲が湧いてきます。
何事もバランスが大切ですが「してあげたくなる精神」を否定する必要はないと私は思いますよ。

人から良く思われたい私がいるんですかね?だから英雄気取りだったんですかね?
華さんは「人のために頑張りたかった」ただそれだけですよね。英雄気取りだったとしても、素晴らしいじゃないですか。
震災が起こると、「窃盗被害」「性被害」「支援物資の独り占め」など、自分さえよければ良い!と考える人が溢れかえりますが、華さんだったらそんな時でも、人のためになることを考えられるのではないでしょうか。
そんな自分にもっと自信を持ってください。
あと、もしよければ、この考えも覚えておいてください。
「人から良く思われたいですけど、何か?」
私、思うんですけど、誰だって人からよく思われたいし、評価されると嬉しいじゃないですか。だから、より頑張ろうって思える訳じゃないですか。
だから「人からよく思われたい」という気持ちを「悪」だと捉える必要はないと思うんです。(むしろ、開き直った方が気持ちよく働ける!)
ちなみに…私だって、人から良く思われたいですよ。こうやって鑑定結果を書いていますが、華さんに喜んでもらいたいし「鑑定を受けて良かった」って思ってもらいたいし、前向きになってもらいたい!これが本心です。
だから、力が湧いてくるんです。
あれも伝えたい、これも伝えたいって、どんどん言葉が湧いてくるんです。
見返りを期待している訳ではなく「人のためになることが自分の力になる!」ただそれだけのこと。
「Takaさんのお陰で離婚できました!」
「Takaさんのお陰で目標を見つけました!」
こんなお言葉をいただいた日には、嬉しくてニヤニヤが止まりません。
介護も同じではないでしょうか。
「ありがとう」って言ってもらえると嬉しいでしょうし、入居者さんからほんの少しでも笑顔を引き出せたら「よかった!」って、一日happyになりませんか。
「良く思われたい気持ち」がマイナスに働くとしたら、それは「良く思われたいが故に、自分を偽るパターン」です。
例えば…
・「できる人」だと思われたいがために、背伸びをする
・利用者さんや家族に「いつも元気で優しいスタッフ」と思われたくて、自分を偽る
・「周りに迷惑をかけたくない」「できる人と思われたい」と、無理をして仕事を引き受けすぎる
そうならない範囲の「良く思われたい気持ち」であるなら、なんの問題もありません。
私の妻も昔から「あなたに出会えて良かったと思ってもらえる介護士になりたい」そう言ってました。
華さんも、ご自身の気持ちを大切にして行ってくださいね。
─ ご感想 ─
ありがとうございます。
何万回もお伝えしたいくらいTakaさんに感謝です。
何度も何度も、今日一日読み返しては涙して、ハッと気付かされ、パワーを感じた日でした。
実のところ、入社書類一式が届いていましたが一度開封したものの何となくまだやる気が起こらず考える事と言えば過去ばかり。
でも鑑定結果を見てから夕方ギリギリ、急にやらなくちゃ❗️って気持ちがみなぎり入社に必要な住民票を取り寄せ、ひたすら何枚もある書類に全て記入しました。
何故かと言うと、記入日を全て今日の日にちで書きたかったから。
気持ちが楽になり、そして新しい自分を知れた、私まだまだこの仕事がしたい…
今日そう思えた日だから、私にとっては大切な日。
もうすぐLiveが始まりますね
また楽しみにしております😊