今日は、夫婦関係の悩みの中でも、少し重い事例をご紹介します。
「このまま続けていいのか、それとも覚悟を決めるべきなのか」——そのどちらでもない、もう一つの選択肢についてお話しします。
─ ご相談内容 ─
仮名:明美さん
年齢:51歳
性別:女性
明美さん(仮名)、51歳。夫との関係についてご相談いただきました。
結婚してから長い年月、夫婦で力を合わせて乗り越えてきたことがたくさんあります。
ご主人の借金を二人で返してきたこと、その過程で夫がアルコールに頼るようになり、体調を崩し——それでも明美さんは夫の傍を離れず、支え続けてきました。
でも、ここに来て限界を感じているとのこと、、、
夫は根は悪い人ではない。社交的で、人当たりも良い。その良さを知っているから、ずっと一緒に歩んできた。
でも、追い詰められると家を飛び出してしまい、どこで何をしているかわからない夜が続く。話し合いの場を設けても、「わかった」と言うだけで何も変わらない。
「離婚はしたくない。でも、このままでは自分が壊れてしまう。夫に本当に変わってもらうには、どうすればいいのか」——それが、明美さんのご相談でした。
─ 鑑定結果 ─
明美さん、ご相談ありがとうございます。
ここまで話してくださって、ありがとうございました。長い間、本当によく支えてこられましたね。
写真を拝見して、私が感じたのは——明美さんは今でも「貫こう」という強い芯を持っている方だということでした。
涙が出るほど辛いはずなのに、諦めていない。その芯の強さが、表情に出ていました。
■ 写真から感じた、ご主人の性質
ご主人の写真から感じたのは、人当たりが良く、社交的で、みんなと仲良くしようとする方だということでした。「良い人」という言葉がぴったりの方だと思います。
だからこそ、明美さんもここまで支えてこられたのでしょう。ご主人の本来の良さを知っているから、見限れない。その気持ちは、よくわかります。
ただ、ご主人には一つ、大きな課題があります。
「苦難から目を逸らしてしまう」という傾向です。
借金という現実に直面したとき、ご主人はそれと正面から向き合うのではなく、アルコールという逃げ場を見つけてしまいました。
問題が起きるたびに、現実から距離を置こうとする。追い詰められると家を出てしまうのも、同じ心理からきていると思います。
これはご主人が「悪い人」だからではありません。ただ、「苦難と向き合う力」がまだ十分に育っていないということです。
■ なぜ変わらないのか
明美さんは今まで、何度もご主人に気持ちを伝えてきたと思います。泣きながら訴えたこともあったのではないでしょうか。
でも、なかなか変わらない。
その理由をお伝えします。
ご主人は今、「どうせまた許してもらえる」という感覚の中にいます。明美さんが何度怒っても、何度泣いても、結局一緒にいてくれる。だから、「このままでも大丈夫」という甘えが抜けていないんです。
これは明美さんのせいではありません。ただ、今までのやり方では、ご主人に本当の危機感を持たせることができていないということです。
「わかった」と言うのに何も変わらないのは、「わかった」が本気ではないからです。本気で危機感を持っていない人は、本気で変わろうとはしません。
もう少し踏み込んでお話しします。
ご主人のような「逃げ癖」がある方というのは、追い詰められると必ずどこかに逃げ場を作ります。
アルコール、外出、無視——形は違っても、根本は同じです。「現実と向き合うことへの恐怖」から逃げているんです。
この逃げ癖は、放置すればするほど強化されます。逃げても許されるという経験が積み重なるたびに、「またこれでいい」という回路が太くなっていきます。
逆に言えば、「逃げても解決しない」という経験を積むことで、初めて向き合う力が育ってきます。
明美さんが本気の姿勢を見せることは、ご主人に「逃げ場がなくなった」という経験をさせることになります。
それは厳しいことに見えて、実はご主人が変わるための一番の近道かもしれません。
「泣いて訴えても変わらない」という経験を繰り返してきた明美さんにとって、「また同じことになるんじゃないか」という不安は当然あると思います。
でも、今回お伝えする方法は、これまでとは根本的に違います。
これまでは「感情を伝える」アプローチでした。今回お伝えしているのは「状況を変える」アプローチです。
感情を伝えても相手が動かない場合、次のステップは「状況そのものを変えること」です。
明美さんの本気が言葉ではなく行動で示されたとき、ご主人の中で何かが変わる可能性があります。
■ ご主人が変わるために必要なこと
結論からお伝えします。
「明美さんの本気度を、行動で示すこと」です。
具体的には——「このままなら別居も考えている」ということを、本気で示すことです。
「そんなこと言いたくない」「離婚はしたくない」という気持ちはよくわかります。でも、ここで大切なのは「脅す」ことではなく、「本気だということを伝える」ことです。
ご主人を変えたいなら、ご主人が「このままでは本当に失ってしまう」と感じる状況を作る必要があります。
今まで泣いて訴えてきたのに変わらなかった理由は、ご主人の中に「最終的には許してくれる」という安心感があるからです。その安心感を、一度崩す必要があります。
ご主人には、まだ変われる可能性があります。それはご主人の写真に、本当は変わりたいという気持ちの表れが写っているからです。
ただ、その気持ちが写真から見えなくなった時、ご主人は引き返せないところまで行ってしまいます。
今がその分岐点だと、私は感じています。
ただ、ご主人の変わりたいという気持ちだけでは変われません。変わるためのきっかけが必要なんです
そのきっかけを作れるのは、明美さんしかいないと思っています。
■ アルコール依存という問題について
少し、アルコール依存について触れさせてください。
アルコール依存は、本人の意志の弱さだけが原因ではありません。脳が「アルコールなしでは不安に対処できない」という状態になってしまっている部分があります。
だからこそ、本人が「やめよう」と思っていても、なかなかやめられない。
そして「やめられない自分」に罪悪感を感じ、その罪悪感から逃げるためにまたアルコールに頼る——という悪循環に陥りやすいんです。
この状態を、家庭内だけで解決しようとするのには限界があります。
もしご主人が本気で変わろうとするなら、専門家の力を借けることも選択肢に入れてほしいと思います。
アルコール依存は医療的なサポートで改善できるものです。
「病院に行く=弱い」ではなく、「病院に行く=本気で変わろうとしている証拠」です。
明美さんがご主人に覚悟を伝える際、「変わる気があるなら一緒に病院に行こう」という提案を加えることで、ご主人の背中を押せると思います。
■ 第三者に協力を頼むのはどうか
「信頼できる人に間に入ってもらう」という方法もあるかもしれません。
ただ、これにはリスクがあります。
ご主人はプライドをしっかり持っているタイプの方です。なので、身近な人に介入されると「プライドを傷つけられた」と感じ、かえって反発する可能性があります。
ですので、第三者は専門家がいいです。
しかし、一番ご主人の心に届くのは、やはり明美さんの言葉です。長年連れ添ってきた妻の本気が、一番深く刺さります。
■ 二つの覚悟について
ここで、少し厳しいことをお伝えします。
ご主人を変えたい → ある程度の覚悟が必要
どんな状況でも離婚だけは避けたい → 今のご主人をそのまま受け入れる覚悟が必要
この中間、つまり「何もしないまま状況が変わることを待つ」は、残念ながら、状況が悪化する可能性が高いです。
どちらを選ぶかは、明美さんが決めることです。ただ、どちらを選ぶにしても「覚悟を持って選ぶ」ことが大切です。
■ ご主人の可能性について
ご主人は本来、人当たりが良く社交的な方です。その性質は、生きていく上で大きな武器になります。
アルコールや現実逃避という問題さえ乗り越えられれば、ご主人にはまだ十分に明るい未来があります
問題が深刻な分だけ、それを乗り越えたときの変化も大きいものになります。
本人が本気で変わろうとしたとき、人は変われます。年齢は関係ありません。
■ 明美さん自身の心について
ここまでご主人のことをお話ししてきましたが、明美さん自身のことも少し触れさせてください。
長年、ご主人を支え続けてきた明美さんは、自分の気持ちを後回しにしてきた部分が多いのではないでしょうか。
「夫のために」「家族のために」——その気持ちは素晴らしいものです。でも、自分を犠牲にし続けることには限界があります。
写真から感じたのは、明美さんはまだ笑える方だということでした。今は辛い状況にあっても、笑顔の素地がある。その部分を、どうか失わないでほしいと思います。
ご主人の問題に引っ張られすぎて、明美さん自身が壊れてしまうことが一番避けてほしいことです。
自分の時間を持つこと、信頼できる人に話すこと、どんな小さなことでも自分が楽しいと感じることを続けること——そういうことが、長期戦を乗り越えるための土台になります。
ご主人を変えようとする力も、明美さん自身が健康でいることから生まれます。ご自身を大切にすることは、ご主人のためにもなるんです。
■ もしご主人が変わらなかったとしたら
明美さんが覚悟を見せても、ご主人が変わらない可能性もゼロではありません。
これは今すぐ答えを出す必要はありません。ただ、頭の片隅に置いておいてほしいのは——「変わらないご主人のために、自分の人生を全て捧げ続けることが正解ではない」ということです。
明美さんには、明美さん自身の人生があります。
ご主人のために尽くすことと、明美さん自身が幸せでいることは、両立できるはずです。でも、どちらか一方が完全に犠牲になり続ける関係は、長続きしません。
「ご主人のことを思うなら、本気で向き合う」——今回お伝えしたことはそういう意味です。
でも同時に、「明美さん自身の幸せを諦めない」ということも、同じくらい大切にしてほしいと思っています。
■ 最後に
明美さんにできることは、本気を見せること、そして自分自身も守ることです。
ご主人が変わるかどうかは、最終的にはご主人次第です。だから、もし「これだけやってみて、それでも変わらなかった」という状況になったとしても、それは明美さんのせいではありません。
どうか、ご自身を責めないでください。
そして、ご主人が本気で変わろうとしたとき、そばで支えられる状態でいてほしいと思います。そのためにも、今の明美さん自身を大切にしながら、一歩ずつ進んでいってください。
─ ご感想 ─
鑑定結果を読んで、ずっと抱えてきたモヤモヤが、整理できた気がしました。
「なぜ変わらないのか」がわかったことが、一番大きかったです。
泣いて訴えても変わらなかったのは、主人の中に「どうせ許してもらえる」という甘えがあったからなんだ、と。それを知って、怒りよりも「やっぱりそうだったか」という感覚の方が大きかったです。
鑑定を読んでから、覚悟を決めて主人と話しました。
今までと違ったのは、「このままなら別々に暮らすことも考えている」ということを、本気で伝えたことです。感情的にではなく、冷静に伝えました。
すると、主人の表情が、今までと違いました。「今度こそ本当に変わる」と約束してくれました。
そして今は、アルコール依存症外来への通院を始めています。鑑定で「変わる気があるなら一緒に病院に行こう」と提案するよう教えてもらっていたので、夫に話しました。
まだ2か月ですが、通院を続けながら、深酒もしなくなり、話し合いができるようになってきました。
まだ油断はできませんが、どうすることもできないと感じていたところから、前に進みだしたと感じています。
─ ご案内 ─
夫婦関係のこと、パートナーのことで行き詰まっている方は、一度ご相談ください。
写真から、状況の本質と、具体的に何をすべきかをお伝えします。

