「好きな仕事を続けたい。でも、今のままじゃ続けられない」
そんな葛藤を抱えて相談してくださった方がいます。
長く打ち込んできた仕事が、会社の都合で続けられなくなりそう。続けるには転職しかない。
でも、過去にパワハラで苦しんだ経験が、その一歩を引き止めている。今日は、信二さん43歳のご相談です。
─ ご相談内容 ─
仮名:信二さん(仮名)
年齢:43歳
性別:男性
印刷会社で校正の仕事をしています。文章の誤りを一つひとつ直していく作業が好きで、この道を深めていきたいと思ってきました。
ところが会社の方針で校正部門が縮小され、進行管理の部署へ移ることに。今の上司は良い方で校正も回してもらえますが、この先続けるのは難しそうです。
そこで、校正を続けるために転職を考え始めました。ただ不安が三つあります。希望どおりの仕事に就けるのか。校正は本当に自分に向いているのか。新しい職場で人間関係を築けるのか。
特に人間関係が怖いんです。実は数年前、ある上司からのパワハラで、毎朝出社するのがつらい時期がありました。今やっと落ち着いたのに、転職してまた同じような人に当たったらと思うと、なかなか踏み出せずにいます。
─ 鑑定結果 ─
信二さんの三つの不安にお答えする前に、まず写真から感じた信二さん自身のことをお伝えします。ここを先にお話しするのには理由があります。これから進む道を考えるとき、いちばんの土台になるのは「自分はどういう人間なのか」という部分だからです。
■ 写真から感じたこと——信二さん自身について
写真から感じたのは、信二さんが「一つのことに深く入り込める人」だということです。自分の世界にすっと入って、そこでじっくり物事と向き合う。そういう力を持っていらっしゃいます。
たとえば何かに取り組んでいるとき、気づいたら何時間も経っていた、という経験はありませんか。
食事の時間を忘れていた。声をかけられても気づかなかった。そんなことが、信二さんには度々あったのではないかと思います。
ご本人にとっては「ただ集中していただけ」かもしれません。
でも、これは誰にでもできることではありません。すぐに気が散ってしまう人、一つのことを続けられない人は、たくさんいます。そんな中で、信二さんは深く潜っていける。これは大きな強みです。
そしてもう一つ、写真から伝わってきたのは「続ける力」です。
集中できる人がみんな続けられるかというと、そうではありません。一瞬だけ熱中して、すぐ冷めてしまう人もいます。
でも信二さんは違います。
一度「これだ」と決めたものを、結果が出るまでじっくり追いかけていける。そういう粘り強さを持っていらっしゃいます。
今の仕事をこの先も深めていきたいと、長く思ってこられたこと自体が、その証拠です。
飽きっぽい人なら、とっくに別の仕事に目移りしています。同じ仕事を何年も続けて、まだもっと深めたいと思える。これは、続ける力がある人にしかできないことです。
それから、写真から感じた三つめの性質。信二さんは「自分をしっかり持っている人」です。
口数が少なく穏やかな方は、自信がなくて人に流されやすいことが多いのですが、信二さんはそうではありません。
物静かでありながら、自分の中に「こうだ」という芯がある。
だから、まわりの空気に流されて自分を見失う、ということが少ない方だと思います。
信二さんは、深く集中できること、続けられること、自分を持っている。
これが、信二さんという人の土台です。
この三つこそが、信二さんの不安に答える鍵になります。
■ 校正の仕事は、信二さんに向いているのか
では、本題に入っていきますね。
まず「校正という仕事は本当に自分に向いているのか」について。
結論から申し上げます。向いています。とても、向いています。
校正という仕事を思い浮かべてみてください。文章の中にまぎれた小さな誤りを、一文字も見逃さずに見つけ出していく。集中力がなければ務まりません。
同じ作業を一日中、何日も続けていく。続ける力がなければ務まりません。
そして、まわりが見落としたものを「これは違う」と指摘する。自分を持っていなければ務まりません。
おわかりでしょうか。
校正という仕事が求める力と、信二さんがもともと持っている性質が、ぴたりと重なっています。
世の中には、好きだけれど向いていない仕事もあります。逆に、向いているけれど好きになれない仕事もあります。
でも信二さんの場合は、「好き」と「向いている」が一致しています。これは、とても幸せなことです。
ですから、「校正は自分に向いているのだろうか」という不安は、どうか手放してください。
向いているかどうかで迷う段階は、もう過ぎています。信二さんに必要なのは、その向いている仕事をこれからどう続けていくかです。
■ 転職して、希望する仕事に就けるのか
次に、「転職して希望どおりの仕事に就けるのか」という不安についてです。
未来は決まっていません。でも、これは悪い意味ではありません。決まっていないということは、「就ける」も「就けない」も、まだどちらにも転がるということです。
だからこそ、「就けるかどうか」で迷うより、「就くために今できることは何か」と考えていただきたいのです。
その上で、写真から感じたことをお伝えします。
信二さんが希望する仕事に就ける可能性は、十分にあると思います。
なぜそう感じたのか。根拠は、信二さんの「想い」です。
信二さんには、「この仕事を深めていきたい」というはっきりした気持ちがありますよね。実は、そういう人は意外と少ないです。
多くの人は、「特にやりたいことがない」「とりあえず食べていければいい」というところで止まっています。
その中で、信二さんは「これを究めたい」と言い切れる。これは、面接の場でそのまま強みになります。
「御社でこういう仕事を究めたい」と本心から言える人は、採用する側にとって魅力的です。
加えて、写真から感じた信二さんの真面目さは、誰が見ても伝わるものです。この人になら任せられる、と思わせる力があります。
ですから、面接までたどり着ければ、就ける可能性は高いと思います。
あとは「タイミングよく希望の仕事が募集しているか」だけです。今すぐ理想の求人があるとは限りませんが、日頃から求人に目を通しておけば、その時が来たときにすぐ動けます。
やりたいことが明確なのに、それができない場所に居続ける必要はありません。
それは信二さんご自身のためでもあり、まわりの大切な人のためでもあります。
満たされない毎日を過ごしていると、心の余裕は少しずつ失われていきます。逆に、好きな仕事に打ち込めていれば、心はいい状態に保たれます。
■ いちばんの不安——また同じような人に当たったら
そして、ここがいちばんお伝えしたいところです。
新しい職場で人間関係を築けるか。特に、また以前のようなパワハラに遭ったらどうしよう、という不安についてです。
まず、はっきり申し上げます。
信二さんなら、良い人間関係を築けます。これは気休めではありません。
人間関係でつまずく人には、本人の側にも見直すべき点があることが少なくないのですが、写真から感じる限り、信二さんにそういうところはありません。
穏やかで、誠実で、自分の芯を持っている。一緒に働く相手として、信頼できる方です。
ただ、現実として、どの職場にも「合わないな」と感じる人は一人や二人はいます。
そこで、過去に信二さんを苦しめたようなタイプの人に、これからどう向き合えばいいか。少し具体的にお話しします。
パワハラをしてくる人には、ある共通点があります。
それは「認められたい気持ちが人一倍強い」ということです。
自分をすごいと思ってほしい、立ててほしい。その気持ちが強すぎる人が、意見の食い違いに出会うと、「自分の考えが通らないのは許せない」という感情に変わります。
そこから、きつい当たり方が始まります。
信二さんは、自分の意見をしっかり持っている方です。これは本当に素晴らしい長所です。
でも、相手がそういうタイプだった場合、正面から意見をぶつけると、相手のプライドを刺激してしまうことがあります。
だからといって、ご機嫌取りをしてくださいと言っているのではありません。
お伝えしたいのは、「順番」です。
いきなり意見を言うのではなく、まず普段から少しずつ言葉を交わして、関係をつくっておく。
天気の話でも、仕事の小さなやり取りでもかまいません。「この人は敵ではない」と相手に感じてもらっておく。その土台ができてから、「これはこうではないでしょうか」と意見を伝えると上手く付き合えます。
関係ができたうえでの意見は、相手も耳を傾けてくれるからです。
逆に、関係がないところへ意見だけが飛んでくると、パワハラするような人は反発します。
信二さんは協調性のある方ですので、この順番さえ守っていたら、上手くやれるはずです。
これを覚えておくだけで、信二さんは自分の意見を守りながら、安心して仕事を続けられます。
■ 最後に
信二さんは、深く集中できて、こつこつ続けられて、自分の芯を持っている方です。
その性質は、校正という仕事にぴたりと合っています。そして、その性質を活かせる場所は、他にもあるはずです。
過去のつらい経験が、一歩を踏み出すのをためらわせているのは、よくわかります。
でも、あのときの信二さんと、今の信二さんは違います。対策を分かっていたら、同じことを繰り返さずに済みます。
自分を信じて、進んでください。
─ ご感想 ─
お返事を読んで、安心しました。
転職をしようと思っても、「この歳で今さら」とか「向いていると思っているのは自分だけかもしれない」とか、そういう気持ちがあって、ずっと足踏みしていました。
だから、「向いているかどうかで迷う段階はもう過ぎている」と言ってもらえたとき、踏み出す勇気を持てばいいんだと、気づかされた気がします。
パワハラの件に関しても、自分のせいではないとわかったおかげで、心が軽くなりました。
それに、苦手な人にどう向き合えばいいかを具体的に教えてもらえたので、またパワハラされたらどうしようという漠然とした怖さが、「こうすれば大丈夫かもしれない」に変わりました。
それにしても、食事を忘れて没頭する話は、思わず笑ってしまいました。まさにその通りなので。
相談してよかったです。
今の自分を信じて、まずは求人を見るところから動いてみようと思います。
─ ご案内 ─
「好きな仕事を続けたいけれど、このままでいいのだろうか」
進む道に迷ったとき、答えは外側ではなく、その人自身の中にあることがほとんどです。
写真を拝見すると、その方がもともと持っている性質から、どんな場所でいちばん力を発揮できるのかが見えてきます。
自分では当たり前すぎて気づいていない強みを、言葉にしてお返しします。
進む方向に迷っている方は、よければ一度ご相談ください。

