いい人をやめたいのにやめられない理由|その仕組みを解説

あなたは「もう人に振り回されるのは嫌だ」「自分ばかり損してる気がする」「なんで私はいつもこうなんだろう」と思っていませんか?

いつもしんどいなあと思っているのに、また相手に合わせてしまうということはないでしょうか。

自分でも「またやってしまった」と分かっているのに、やめられない。それは当然なんです。

いい人をやめたいのに、やめられないのには、明確な理由があるからです。

今日は、なぜいい人をやめられないのか。その仕組みについてお話しします。

目次

いい人は自分を大切にできない

まずはじめに「いい人」ってなんでしょうか。

誰にでも優しい人?空気が読める人?

いろんな解釈がありますが、今回は「いい人」をこう定義します。

相手がどう思うかを優先して、自分の気持ちを後回しにする人。これ、間違いなくいい人でしょ?

つまり「いい人」とは、人を大切にすることはできるのに、自分を大切にできていない人のことなんです。

「いい人をやめたい」という言葉の裏には「自分を大切にしたい」という気持ちがあります。

相手ばかり優先するのをやめて、自分のことも大事にしたい。

でも、それができないから苦しんでいる。

今日はなぜそれができないのか、その仕組みを解説していきます。

いい人をやめられない理由

いい人をやめられないのは、なぜだと思いますか?

いい人は「相手がどう思うかで決める」ということが当たり前になっていて、自分がどう思うかで決めることに申し訳なさを感じるようになっているから、いい人をやめられないんです。

何かを頼まれたとき、自分がどう思うかより、相手がどう思うかを優先することが当たり前になっていると、

「断ったら嫌われるかな」
「引き受けないと迷惑かな」
「がっかりさせたくないな」

と、自分のことよりも、相手がどう思うかばかりが気になってしまいます。

この状態で、自分の気持ちを優先しようとしても、ブレーキがかかります。

「断ったら悪い」「自分が我慢すればいいだけ」

このように考えてしまい、これが最善の選択なんだと自分に言い聞かせるようになります。

でも、こんなふうになってしまうのは、意志が弱いからじゃないんです。

先ほども言ったように、「相手がどう思うかで決める」ということが当たり前になっていて、自分がどう思うかで決めることに申し訳なさを感じるようになっているからなんです。

例えるなら、日本人と欧米人の違いに似ています。

日本人は、みんなと違う意見を言うことに抵抗を感じますよね。会議でみんなが賛成といっている中で、「私は反対です」と言うのに勇気がいります。

でも欧米人は、自分の意見を言うのが当たり前。反対意見を言うことを当然の権利だと思っています。

この違いは、意志の強さじゃありません。育った環境で「当たり前」が違うだけです。

いい人も同じです。

「相手がどう思うか」を基準に決めることが当たり前になっている。だから「自分がどう思うか」を基準にしようとすると、抵抗を感じる。

いい人でいることが、自分の生き方になっているんです。

だからいい人で生きてきた人にとって、いい人をやめることは、別人に生まれ変わるくらい、難しく感じます。

いい人でいることが自分の生き方になった原因

では、なぜ、いい人でいることが自分の生き方になったのか。

多くの場合、育った環境が関係しています。

たとえば、こんな経験はありませんでしたか?

「お母さんの言うことを聞きなさい」「わがまま言わないの」「いい子にしてなさい」

こうやって育つと、子どもはこう学びます。

「自分の気持ちを出すと怒られる」「相手に合わせるといい子だと言われる」

本当は「イヤだ」と言いたかった。本当は「私はこうしたい」と言いたかった。でも、それを言うと怒られ、否定され、悲しい顔をされる。だから、言わないことを選んだ。

それは、子どもなりの生き残り戦略だったんです。

親の機嫌がコロコロ変わる家庭で育った人は、「今日のお母さん、機嫌悪そうだな」「お父さんが怒らないように静かにしていよう」

こうやって、親の顔色を伺いながら過ごすようになります、すると「相手の気持ちを読んで合わせる」ことで、自分の身を守ろうとする習慣が身に付きます。

親の機嫌を気にして関わり方を変えないと、家の中で安心して過ごせなかったからです。

これは習慣として身に付きますので、大人になっても変わりません。

職場で上司の顔色をうかがう。友達に合わせて自分の意見を言わない。パートナーの機嫌を優先して自分を抑えるなど、子どもの頃に身につけた生き方が、そのまま続いていきますので、いい人でいることが自分の生き方として根付くんです。

つまり「いい人」は、生き延びるために自然と身につけた、知恵によってつくられたものなんです。

いい人をやめられないのは、自分の生まれ持った性格だと思うかもしれませんが、生まれ持った性格よりも、断然、生まれ育った環境の影響のほうが大きいです。

だから、いい人をやめられないのは、あなた自身が原因というよりも、あなたが子供の頃に深く関わっていた大人たちが、子供の接し方を間違えていたことが根本の原因ということです。

なので、「私は意志が弱いから」とか、「私がダメな人間だから」なんて、思わなくていいんです。悪いのは、子供の接し方という意味において、無知だった大人たちです。

ただ、いい人をやめられなくなったことには、意味があると私は思っています。

いい人で生きてきたからこそ、人の気持ちが分かり、相手の立場に立てます。いい人で生きたことがなければ、相手の立場に立って考える力が育たないんです。

つまり、いい人で生きてきた人は、優れた人間性を持っていると言えると思います。これは、いい人をやめられない経験をしたからこそ、たどり着ける場所だと思います。

自分を大切にするためのヒント

生きる過程で身についたものは、変えることができます。

時間はかかるかもしれません。

でも「相手がどう思うか」ではなく「自分はどうしたいか」で決める。

この軸を少しずつ変えていけば、いい人をやめられます。

そしてそれは、自分を大切にするということでもあります。

今日覚えておいてほしいのは、この2つです。

いい人をやめられないのは、相手がどう思うかを優先することが当たり前になっているから。

そして相手がどう思うかを優先してしまうのは、育った環境で身についたもので、あなたのせいではない。

しかしこれは、変えることはできます。

次回は「いい人をやめれば人生はうまくいく」というテーマで、いい人をやめた先に何が待っているのか、いい人をやめるにはどうすればいいのか、お話しします。

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