優しい人ほど、信頼されにくいんです。
「そんなはずないでしょ!」って思いますよね。
そりゃそうです。あなたは人の気持ちを考えて、相手を傷つけないように気をつけて、いつも周りが気分よく過ごせるように、ちゃんと気を配っているんだから。
それだけ丁寧に接しているのに、信頼されないなんて――おかしいと思いますよね?
でも、実はそこに、優しい人ほど“損をしてしまう”理由が隠されているんです。
この記事では、なぜ優しい人が損をするのか、そしてどうすれば「損をしない優しさ」に変えられるのかをお話しします。
第1章:優しさの裏にある「怖さ」
いつも周りを優先して、自分のことは後回し。頼まれると断れない。
“優しいね”って言われると嬉しいけど、そのプレッシャーでちょっと苦しかったりする。
ちょっとしんどいけど、それでも優しくせなあかんと思うのは、人の気持ちをすごく感じ取れる人だからです。
きっとあなたには、相手の表情の変化に気づいて、敏感に感じる能力があると思います。
そして、共感力もあるから、エンパスと言われたことがある人もいると思います。
人に優しくできることは、ほんまに素晴らしい長所です。
でも、その優しさを突き動かしているのが、「冷たいと思われたくない」「嫌われたくない」そんな“怖さ”からきているなら、どこかでしんどくなりますよね。
なぜなら、いつも“相手がどう思うか”を軸にして優しさを出していると、自分の気持ちを置き去りにしてしまうからです。
自分の気持ちを置き去りにして人に優しくしていると、「なんで分かってもらえないんだろう」「どうして私だけ損な役回りなんだろう」
そんな思いが心の奥に溜まっていきます。
そうやって苦しくなっているのに、それでも優しくしてしまう。
それは、誰だって人に好かれたいし、いい人やと思われたいし、無理をしてでも「優しい自分」でいたいからですよね。
…でも、その優しさが、“自分を守るため”の優しさになっていると、信頼されない原因になるんです。
第2章:優しい人が損をする5つの理由
信頼を遠ざけてしまう
優しい人が損をしてしまう理由のひとつが、信頼を遠ざけてしまうことなんです。
人は、本音が見える人を信頼します。
安心できるのは、「この人は何を考えてるのか、なんとなく分かる」と思える人です。
優しい人は、自分がどう思うかよりも、“相手が嫌な気持ちにならないように”を一番に考えてしまいます。
すると、本音を言えなかったり、思ってもいないことを言ってしまったりします。
たとえば、
- ・本当は疲れてるのに、笑顔で「大丈夫です」と言ってしまったり、
- ・断りたいけど、気まずい関係になりたくないと思って引き受けてしまったり、
- ・失礼なことを言われても、「波風立てたくない」と思って我慢してしまったり、
こういうこと、ないですか?
私も昔、優しい人と思われたくて、こんな風になってましたもん。
こうなってしまいますよね?
でもね。その優しさは、自分を守るためにも必要なことなんで、すべてが悪いというわけではないんですが、あまりにもこうなんというか、優しい人と思われたい気持ちが強いと、、、本音、、、言えなくなるでしょ?
すると、
- 「この人、何を考えてんのか分からん」
- 「自分の気持ち話さへんよなー」
と思われてしまうんです。
先ほど言いましたが、人が安心できるのは、「この人は何を考えてるのか、なんとなく分かる」と思える人なんです。
相手からしたら、この人何考えているか分からへんし、信頼できひんなってなるんです。
なので、人は、時々本音をポロッと言ってくれる人に安心するし、そういう人を信頼するんです。
なので、優しい人になろうと思って、頑張れば頑張るほど、「あなたのことがわからない」と思わせてしまうんです。
これが、信頼されにくくなる優しさの仕組みです。
そして、優しい人が損をしてしまう理由は、これだけじゃないんです。
他にも、こんな形で損をしてしまいます。
断れなくて“利用されてしまう”
「嫌われたくない」「優しい人と思われたい」という気持ちが強いと、相手のお願いを断れなくなってしまいます。最初は遠慮して頼みごとをしてきてた相手でも、そのうち当たり前のように頼みごとをしてくるようになります。あなたは、頼めば何でもやってくれる人という感じで利用されてしまいます。
頑張っても“評価されにくい”
優しい人は、率先してみんなを引っ張っていくより、誰かのフォローに回ることが多いです。私が支えているという主張もしないので、あなたの努力が「当たり前」と思われることが多いんです。優しい人は、自分を出さずに控え目に接しているので、「感謝もされないし、報われない」と感じやすいんです。
人に合わせすぎて“自分の気持ちが分からなくなる”
「自分はどうしたいか」より、相手を優先することばかりを考えていると、自分の気持ちを確かめる時間が減るので、自分の気持ちが分からなくなります。自分を大切にすることを忘れて人を優先するので、いつも満たされない気持ちになります。
・優しくできなかったときに“自分を責めてしまう”
「優しくしなきゃ」「いい人でいなきゃ」と思っている人ほど、本音を言っただけで「余計なことを言ってしまった…」と罪悪感を感じてしまいます。
本当は何も悪くないのに、自分を責めるようになって、1人で勝手に疲弊してしまうんです。
このように、優しい人はいろいろと損をしてしまうわけですが、これらには共通していることがあるんです。
それは、優しさが、人にどう思われるかが軸になっているということです。
「嫌われたくない」「冷たいと思われたくない」「いい人でいたい」と思う気持ちは、人として自然なことです。
でも、それが優しさの基準になってしまうと、「自分が悪く見られないように」動こうとして、自分の気持ちは置き去りになります。
このズレが、優しい人をどんどん苦しくさせていくんです。
人の目を気にする優しさは、結果、人から雑に扱われたり、信頼されなくなったり、自分を苦しめる原因になります。
じゃあどうすればいいのか?
その優しさを「人にどう思われるか」ではなく、「自分が本当にそうしたいか」を軸に変えればいいんです。
第3章:損をしない優しさへの変え方
損をする優しさから損をしない優しさに変えるには、どうすればいいのか。
それは、優しさの軸を「人にどう思われるか」から、「自分が本当にそうしたいか」に変えることです。
「嫌われたくない」「相手によく思われたくない」という気持ちから出る優しさは、“義務”のようになって、どんどんしんどくなります。
一方、自分が本当にそうしたいかで出る優しさは、「相手にどう思われるか」ではなく、「自分が本当にそうしたいか」で決めるので、無理がありません。だからモヤモヤしないんです。
この「自分が本当にそうしたいか」を軸に考える優しさに変えるだけで、損をしない優しさに変わります。
「信頼されにくかった人」は、自分が本当にそうしたいかを軸に生きることで、正直で安心感のある人になります。
結果、いちばん信頼されるタイプの優しさを持つ人になります。
「断れなくて利用されていた人」は、自分が本当にそうしたいかを軸に生きることで、自分の意思を伝えられるようになり、利用されることがなくなります。
「頑張っても評価されにくかった人」は、自分が本当にそうしたいかを軸に生きることで、自分の意見や意思を伝えられるようになります。それにより、正当な評価をもらえるようになります。
「人に合わせすぎて自分が分からなかった人」は、自分が本当にそうしたいかを軸に生きるようになると、少しずつ、自分の本当の気持ちがわかるようになっていきます。
「優しくできなかった時に自分を責めていた人」は、自分が本当にそうしたいかを軸に生きるようになると、優しくできなくても、“その時の自分”を許せるようになります。
「自分が本当にそうしたいか」を軸に考えるだけで、すべてがひっくり返ります。
「自分が本当にそうしたいか」を軸に考えた上での優しさは“我慢”ではなく“選択”になります。
やってあげることも、断ることも、どちらも自分の意志で選べるので、どちらを選んでもモヤモヤしないんです。
だからこそ、これからは「どう思われるか」ではなく、「自分はどうありたいか」で優しさを選んでみてください。
その優しさは、“損をする優しさ”ではありません。あなたも相手も大切にできる、本物の優しさです。
第4章:本当の優しさは、自分を大切にすることから始まる
ここまでお話してきたように、優しい人が損をしてしまうのは、優しさの軸が「人にどう思われるか」にあるからです。
本当の優しさとは、自分を犠牲にすることでも、いつも笑顔でいることでもありません。
自分の気持ちを大切にしながら、人を思いやること。それが、本当の意味での“優しさ”です。
あなたが自分を大切にできるようになると、その優しさには無理がなくなります。心が満たされているからこそ、自然と相手を大切にできるようになる。これが理想の形です。
そして、そういう人こそが、ほんまに信頼される人なんです。
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