白黒思考やゼロヒャク思考は性格だから仕方ないと思っていませんか?
それ、違いますよ。
この記事では、白黒思考の方が、どのように日常を辛くしているのか?
そして白黒思考を手放す方法についてお伝えしていきます。
白黒思考とは?
まずは、白黒思考とはどんな考え方かというと、たとえば、「良い か 悪いか」「好き か 嫌いか」「できたかできなかったか」というように、物事を0か100かのように極端に判断してしまう考え方のことです。
この考え方には、もちろん良い面もあるんです。
自分の軸がブレにくく、まっすぐな価値観を持っているとか、正義感が強いとか、強いこだわりを持って物事に取り組めるなど、 そういったいい面がある一方で…
- ちょっとした出来事で落ち込みやすくなる
- 人間関係がこじれやすくなる
- 自分の感情をコントロールできない
といったしんどさを感じることも少なくありません。
いい一面は長所として大切にすべきところですが、白黒思考が強くなり過ぎると、生きづらさを感じる原因にもなります。
では、ここからは、具体的に白黒思考が生み出す3つの辛さを話していきます。
白黒思考が生み出す3つの辛さ
白黒思考が生み出す辛さとして、特に多くの人が感じやすいのが、この3つです。
- ネガティブになりやすい
- 人間関係を切ってしまう
- 気持ちの整理ができない
では、これらについて、実際のエピソードを交えながら順番にお話ししていきます。後ほど、白黒思考を手放す方法もお伝えします。
① ネガティブ思考になりやすい
最初にお伝えしたいのは、白黒思考の人は「ネガティブになりやすい」ということです
。極端な考え方があると、うまくいかない出来事が起きたときに、気持ちが一気に落ち込みやすくなります。
40代の女性のエピソード
以前私の講座を受講していただいた、40代の女性のエピソードを話しますが、その女性は、とても真面目な方で、一生懸命仕事に取り組む方でした。
ある日女性は、上司から社内キャンペーンのお知らせメールを作るように頼まれたそうです。
慣れない仕事を頼まれて、自分なりに調べながら一生懸命仕上げて、翌日上司に提出したそうです。
でも、その時の上司の反応が良くなかったんです「うーん、ちょっと内容が分かりづらいかな。キャンペーンの内容をもう少し具体的に書いて仕上げてくれないか」とダメ出しをされたそうです。
その時女性はこう思ったそうです。
「やっぱり私はダメだ…」「また失敗した…」「この仕事は向いてないかも…」
女性はいつも、こういうことがあると、「できなかった」=「自分には価値がない」と思ってしまうそうです。
その話を聞いて、私はこう伝えました。
「どこに問題があるのか気づけてよかったですね」「“次はどうすればいいのか”わかったってことですよね?」「誰だって、慣れない仕事を完璧にはできませんよ。失敗した先に成功があるんですから、それは失敗じゃなくて成功の始まりなんです。」と伝えました。
白黒思考の人がネガティブになりやすいのは、うまくいかないことがあると自分を全否定して責めてしまうからです。
ネガティブに捉えないための考え方
失敗した時に自分を責めるのではなく、失敗は成功の基という考えを基準にしてみてください。とても楽になります。
失敗しない人はいません。失敗するのは人として当たり前という前提で物事を捉えるんです。あなたを指導している上司も、失敗と改善を繰り返して今の地位があります。
「失敗するのは当たり前、失敗して気づけたことがあるなら改善できる。このように考え方を変えると、“じゃあ次はこうしよう”という前向きな気持ちが生まれます。
あなたも私も、上司も、親も、総理大臣ですら完璧な人間じゃないんです。神様でもない限り、完璧になろうとしなくていいんです。
失敗するのは当たり前、大事なのは失敗から学んだかどうかです。失敗から学んだことがあるなら、その教訓をこれから活かすことができます。そう考えれば、ネガティブな出来事をポジティブな力に変えられます。
② 人間関係を切ってしまう
白黒思考が強いと、人間関係を切ってしてしまう原因になります。
なぜ、人間関係を切ってしまうのか?
50代女性のエピソード
これも以前、私の講座を受講してくださった、50代女性のエピソードを基にお話させていただきます。
女性は会社で親しくなった同僚とランチに行きました。そのとき、家庭内の悩みを相談したそうです。
そのとき、同僚から返ってきた言葉が、「それ、ちょっと考えが甘いんじゃない?」でした。
その言葉を聞いた瞬間、女性はこう感じたそうです。
「私を馬鹿にしてるの?」「私のことをダメな人間だと思ってる」「この人は味方だと思っていたのに…」
こんな気持ちが湧いてきて、その日以降、その同僚と距離を置いてしまったそうです。
このように、たった一言で相手のことを「敵」と感じてしまったり、これまでの関係がすべて壊れてしまったように思ってしまうのは、育った環境が影響していることが多いんです。
たとえば、子どもの頃に親から、「ちゃんとしなさい」「どうしてできないの!」「ダメな子ね!」と繰り返し言われてきた人は、人の言葉に対して「責められている」「否定されている」と感じやすくなります。女性がまさにこれに該当していました。
私は女性の話を聞いてこう尋ねました。「その同僚って、普段はどんな人やったんですか?普段からあなたをバカにするような態度をとる人やったんですか?」
私の問いに対して女性は、こうおっしゃいました。「いいえ。いつも優しくて、以前も家のこととか相談したことがあるんです。見下されたのは、その時がはじめてでした。」
その話を聞いて私は、同僚は見下すつもりで言ったのではなく、女性のことを心配して言ったんだろうなと思いました。
ですので、「同僚は見下して言ったのではなく、本当に心配して言ってくれたのだと思いますよ」と伝えました。すると女性は、そうかもしれませんと、少し後悔しているように見えました。
大切な人間関係を切らないために
もちろん、中には本当にバカにして言ってくる人もいますが、普段から上下関係のない対等な関係を築けていたのなら、見下して言っているとは考えにくいです。
もし、あなたもバカにされたと感じた時は、相手の普段の様子を思い出してみてください。
普段からあなたを馬鹿にしていじってくるような人なら、見下している可能性が高いので、そんな奴とは縁を切るべきですが、普段から優しさや思いやりがある人の言った言葉なら、“あなたを思って言ってくれている可能性が高いです。
もし、誰かと話していて、「責められた」「否定された」と感じたときには、こう自分に問いかけてみてください。
「これは本当に、私を傷つけるための言葉なのか?」「それとも、私のことを思って言ってくれているのか?」
いったん立ち止まって、考えることで、大切な人間関係を自分で壊さずに済みます。
③気持ちの整理ができない
最後にお話しするのは、白黒思考の人は「気持ちの整理が苦手」ということです。
最初にも少し触れましたが、物事を極端にとらえてしまう方には、「これはいい」「これはダメ」と判断基準がハッキリしているという特徴があります。
ハッキリしていること自体は、決して悪いことではないんです。むしろ、行動力や信念の強さにもつながるので、素晴らしい長所なんですが、それが強く出過ぎると生きづらさに変わります。
ここでは、白黒思考が原因で気持ちの整理ができない時に起きる、4つの生きづらさをご紹介します。
1. 理想と現実のギャップを受け入れられない。
たとえば
- 子どもをお医者さんにしたかったのに、フリーターになっている
- 家事も仕事も完璧にこなしたいのに、どちらも中途半端になってしまう
こんなふうに、思い描いていた理想と現実にギャップがあると、「こんなはずじゃなかった」「私がもっとちゃんとしていれば…」と、自分を責めてしまいます。
白黒思考が強い人は、「こうあるべき」「これが正解」という理想を強く持っているぶん、それがうまくいかないと、生き方そのものが間違っていたんじゃないか…と感じてしまいます。
そうなると、自分をずっと責め続けるようになって、毎日がとても苦しくなってしまうんです。
2.感情的になりやすい。
白黒思考が強い人は、「これは絶対にこうあるべき」という強い信念を持っていることが多いです。
でも、その信念を否定されたり、揺さぶられるような出来事があると、「怒り」「不安」「悲しみ」といった強い感情が、一気にあふれ出すことがあります。
すると、自分で自分の感情をコントロールできなくなり、パニックのような状態になってしまって、突然怒りが込み上げて爆発したり、涙が止まらなくなったり、頭が真っ白になって、言いたいことが言えなくなったりします。
いったん感情があふれ出すと、自分でも感情をコントロールできなくなり、感情に振り回されるようになります。
これは、「頭を切り替える」のが苦手だから起きることです。感情をコントロールできないと、人間関係がこじれたり、精神的に不安定になって、生きること自体がしんどくなってしまうんです。
3.考え方が両極端
白黒思考の人は、「やるか、やらないか」「正しいか、間違いか」といったはっきりした答え を求めがちです。
そしてその判断は、自分だけではなく、他人に対しても、同じように向けられます。
たとえば…「誘いを断られたら、嫌われたに違いない」と決めつけたり、「テストの点数が80点以下なら失格」だと思い込んだり、「体を壊した自分は、弱くてダメな人間だ」と自分にレッテルを貼ってしまうなど
物事を「白か黒か」で結論づけてしまうと、ほんの少しのズレや、ちょっとしたミスですら許せなくなってしまいます。すると、気を張ってばかりいて、心が休まる時間がなくなり、大きなストレスになります。
4.言葉がでなくなる
白黒思考の人の中には、「正確に伝えなければ」「間違えたらどうしよう」「誤解されたら困る」こんなふうに、完璧に伝えることを求めすぎてしまう人がいます。
その結果、頭の中で言葉を選びすぎて、言葉が出なくなることがあります。
このようになるのは、小さい頃に「ちゃんと話しなさい!」とよく怒られたり、学校で発表したときに笑われた経験があるとか、「そんなことも知らないの?」と否定されて深く傷ついた経験があるからです。
こういった経験があると、完璧に伝えようとし過ぎて、言葉がでなくなることがあります。というわけで、白黒思考が生み出す3つの辛さについてお話してきました。
ではここからは
白黒思考を手放すためにどうすればいいのか?
について話していきます。
白黒思考に共通しているのは、「良いか悪いか」「正しいか間違っているか」という、二択で物事を判断してしまうことです。だからしんどいんです。
そのしんどさを手放すために必要なことは、曖昧さを受け入れる物事の捉え方や、寛容さです。
それは、白でも黒でもない「グレーを受け入れる力」 です。
グレーを受け入れると、気持ちの整理ができるようになり、心がラクになります。たとえば、こんなふうに考えられると、気持ちが軽くなります。
緊張してうまく話せなかったとき
「私はダメだ」と結論づけるのではなく、「緊張したけど、伝えたいことはちゃんと伝えられた」という事実にフォーカスして
「うまく話せなかったのは当たり前、だって慣れていないんやから仕方ないやん」
このようにできなかった自分に寛容になった上で、勇気をだして伝えられた自分の行動力や、ちゃんと伝わったことに目を向ければいいんです。
そしたら「伝えられてよかった」「私にしてはよくできた」という感覚が残って、自信につながります。
子どもが言うことを聞かない時
「私の子育てが間違っていたんだ」と結論づけるのではなく、「言うことを聞くときもあれば、聞かないときもある。
それが子どもってもんや」と考えてみてください。
だってそうでしょ。子供にも感情がある。ロボットじゃないんやから、言うことを聞かん時があるのは当たり前でしょ。
「子どもってそういうもの」という考えでいると、心にゆとりが生まれ、自分を責めずにすむだけではなく、穏やかな気持ちで子育てができるようになります。
やる気が出ないとき
「やる気が出ない自分はダメな人間だ」と結論づけるのではなく、「人間なんやから、やる気が出ない日もあるわ。これは“休め”ってことやな」と考えてみてください。
そう考えられるようになると、自分を責めずにすみますし、休むことに罪悪感を持たずに、ちゃんと休めるようになります。
このような考え方が、グレーを受け入れる力です。白か黒かで決めつけるのではなく、その間にある「グレー」に目を向けられるようになると、気持ちに余裕が生まれます。
ここまでの話で、グレーを受け入れる力があると、生きやすくなることが分かっていただけたと思います。さらにお伝えしておくと
同じ出来事でも“見方”を変えるだけで、感じ方はガラッと変わる
たとえば、職場でこんなことがあったとします。上司に資料を提出したら、「一か所間違ってるで!」と指摘された。
このとき、どう感じるかは人によって違います。
たとえば
- Aさんは「チッ、なんやねんその言い方!」とイラッとする
- Bさんは「やっぱり私はダメってことかも…」と落ち込む
- Cさんは「え?それ以外は完璧やったってこと?次は完璧にできるわ」と自信になる
こんなふうに、同じ出来事でも捉え方しだいで、感じ方はまったく変わるんです。
こうやって捉え方を柔軟に変えることは、白黒思考が強いとなかなか難しいんです。だからこそ、「グレーを受け入れる力」が必要なんです。
グレーを受け入れることができると、Cさんのように発想の転換ができるようになります。これこそが、本当の“プラス思考”なんです。
最後に
ということで、今回は「白黒思考が自分を苦しめてしまう理由」についてお話ししてきました。
物事を“二択”で判断してしまうと、どうしても生きづらくなってしまいます。
生きやすさを手に入れるために大切なのが、白でも黒でもない、その間の【グレーを受け入れる力】です。
このグレーを受け入れられるようになると、「正解はひとつじゃない」「ちょっとくらい曖昧でもいい」そんなふうに思えるようになり、心に余裕が生まれて、しんどさがぐっと減っていきます。
ただ、今日話した理屈が頭でわかっていても、なかなか実践できない…そんな人は少なくありません。
それには“ある原因”が関係しているんです。その原因を何とかしない限り、白黒思考をやめるのは難しい。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。