職場を変えたのに、また人間関係で悩む。付き合う人が変わったのに、また同じように傷つく。子どものクラスが変わったのに、また友達関係で同じような問題が起きる。
「今度こそ大丈夫」と思っていたのに、気づけばまた同じようなことで悩んでいる。このように、人や環境が変わっているのに、なぜか同じ人間関係の問題を繰り返してしまうことがあります。
もし何度も同じことが続いているなら、自分では「これが原因だ」と思っていることが、本当の原因ではないかもしれません。本当の原因を間違えていると、どれだけ考えて対処しても、また同じ問題を繰り返してしまいます。
この記事では、なぜ人間関係で同じことを繰り返すのか、実際に私が受けた相談事例も紹介しながら、本当の原因を見つける方法をお伝えします。
なぜ人間関係で同じことを繰り返すのか
相手も違う。職場も違う。環境も違う。それなのに、なぜ同じような人間関係の問題を繰り返してしまうのでしょうか。
その理由の一つは、自分の中に毎回変わっていないものがあるからです。それが、自分が持っている価値観や「こうするのが正しい」と思っている考え方です。
人は、自分が正しいと思っていることを基準にして物事を考えます。たとえば、「人に嫌われない方がいい」と思っている人は、人間関係で問題が起きても「嫌われないためにはどうすればいいのか」という前提で考えます。「自分が我慢すればうまくいく」と思っている人なら、自分が我慢することを前提に考えます。
でも、もし「人に嫌われない方がいい」「自分が我慢すればうまくいく」という考え方そのものが、同じ人間関係を繰り返す原因になっていたらどうでしょうか。
本人はその考え方を正しいと思っているため、そこに原因があるとは考えません。つまり、自分なりに一生懸命原因を考えていても、考えるときの前提そのものが間違っていれば、本当の原因にはなかなかたどり着けないのです。
同じ人間関係の問題を何度も繰り返している場合、自分では疑っていない「当たり前」の中に、本当の原因が隠れていることがあります。
本人が思っている原因と、本当の原因は違うことがある
私は普段、写真と相談内容をもとに、その人の悩みや問題の原因を読み解く仕事をしています。実際の相談でも、ご本人が「これが原因だ」と思っていたことと、私から見えた原因がまったく違っていたことはよくあります。
ここからは、実際の相談事例をもとに紹介します。
「自分が弱いから」と思っていた女性
ある女性は、職場が変わっても、嫌がらせや陰口を言われることを繰り返していました。「同じことをしても、他の人は何も言われないのに、なぜか自分だけ言われる」と悩んでいたのです。
転職しても同じことが起きるため、その方は「攻撃されても平常心でいられる強さがほしい」と相談してくださいました。つまり、ご本人は「精神的に強くなることが、自分に必要なことだ」と考えていたのです。
しかし、写真を見て私が感じたのは、この方は決して弱い人ではないということでした。むしろ、相手の気持ちを大切にして、争いを避ける性質を持っていました。
問題は、嫌がらせをする人から見ると「一人で抱え込む人」に見えやすく、それによって狙われやすい立ち位置になっていたことです。
この方に必要だったのは、無理に強い人になることでも、嫌がらせをしてくる相手に言い返すことでもありませんでした。必要だったのは、職場の中で人とのつながりを増やして、一人で抱え込まない立ち位置を作ることだったのです。
ご本人は「自分の精神的な弱さが原因だ」と考えていたため、精神的に強くなれない自分を「弱い人間だ」と思って苦しんでいました。でも、本当の原因はそこではありませんでした。
原因を間違えると、変える必要のない自分を変えようとして、必要のないことで自分を責め続けてしまうことがあります。
子どもの人間関係も、原因が別のところにあることがある
これは本人自身の人間関係だけではありません。子どもの人間関係について相談を受けたときにも、親が思っていた原因とは違うところに原因があったことがあります。
あるお母さんから、「息子に友達ができない」という相談を受けました。そのお母さん自身も人付き合いが苦手だったため、「自分と性格が似ているから、息子も友達ができないのではないか」と心配されていました。
つまり、「自分に似た性格だから、息子も人間関係で苦労している」と考えていたのです。
ところが、写真を見て私が感じた息子さんの性質は、お母さんとはかなり違いました。息子さんは本来、打たれ強く、人と関わっていける性質を持っていたのです。
では、なぜお母さんは「自分と似ている」と感じていたのでしょうか。
相談内容も合わせて見ていくと、お母さんは「自分のように人間関係で苦労してほしくない」という思いから、息子さんの友達関係を心配しすぎていました。「あの子には気をつけた方がいい」「あの子とは距離を置いた方がいい」と、息子さんが傷つかないようにアドバイスしていたのです。
もちろん、息子さんを守りたいからしていたことです。しかし、そのことによって息子さんがクラスメイトとの関わりに慎重になりすぎていました。
お母さんは「自分と性格が似ていること」が原因だと思っていました。でも、本当は息子さんの性格ではなく、心配するあまり友達関係に口を出しすぎていたことが影響していたのです。
もし「この子は自分と似た性格だから仕方がない」という前提だけで考えていたら、息子さんの性格を変えようとしていたかもしれません。本当に見直す必要があったのは、息子さんの性格ではなく、お母さん側の考え方でした。
このように、人間関係の問題が起きている本人に原因があるとは限りません。周りの人との関わり方が影響していることもあります。
「自分の努力が足りない」が間違っていることもある
夫婦関係の相談でも、ご本人が思っていた原因とは違うところに問題があることがあります。
ある女性から、「この結婚生活を続けていくために、自分はどんな気持ちでいればいいのでしょうか」という相談を受けました。
この女性は、「まだ自分にできることがあるのではないか」「自分がどう変われば、夫婦関係がよくなるのだろうか」と考えていました。
しかし、写真と相談内容を見て私が感じたのは、この方に足りないのは努力ではないということでした。むしろ、辛抱強く努力家の性質を持っている方で、十分すぎるほど努力してきたように感じました。
反対に、ご主人の写真から感じたのは、自分の気持ちや都合を優先しやすく、相手への思いやりや配慮が足りないということでした。
奥さんが合わせたり、我慢したりしてくれていても、それが当たり前になっている。奥さんが努力すればするほど、ご主人がその状況にあぐらをかいてしまう。そんな関係に見えました。
つまり問題は、奥さんの努力不足ではなく、ご主人側に変わる気がないことにあったのです。
そこで私は、夫婦関係を何とかすることばかり考えるのではなく、「自分がこれからどう生きたいのか」を考えてほしいとお伝えしました。
原因の見方が変われば、考えることも変わります。「どうすれば夫を変えられるのか」ではなく、「自分はこれからどんな人生を送りたいのか」を考えられるようになります。
本当の原因が分かると、努力する方向そのものが変わるのです。
本当の原因が分かると、人間関係が変わる
本当の原因に気づいたことで、実際に人間関係が変わっていった方もいます。
ある方は、子どもの頃から人間関係で傷つくことが多く、大人になってからも職場や近所で人間関係がうまくいかないことを繰り返していました。ご本人は、「自分の性格に何か問題があるのではないか」と思っていました。
しかし、写真を見て私が感じたのは、この方が人付き合いそのものを苦手とする性格なのではなく、長い間人に傷つけられてきたことで警戒心が強くなり、それが表情や話し方に出ているということでした。
本人にはそのつもりがなくても、表情が硬くなったり、声が小さくなったりすることで、周りから「話しかけにくい人」と見られていたのです。
つまり、変える必要があったのは性格ではありません。表情や話し方など、人との接し方でした。
そこで、まず笑顔で相手の目を見て挨拶することから始めてもらい、そのほかにも具体的なアドバイスをしました。
すると半年後、「以前は誰も話しかけてくれなかったのに、最近は休憩中に声をかけてもらえるようになりました」という報告をいただきました。「また同じことが起きている」という感覚も、少しずつなくなってきたそうです。
もしこの方が「自分は人付き合いが苦手な性格だから」と思い続けていたら、性格そのものを変えようとして苦しみ続けていたかもしれません。
でも、本当の原因が分かったから、変えるべきところが分かり、現実も少しずつ変わっていったのです。本当の原因が分かれば、本当に必要な対処法も見えてきます。
だからこそ、同じ人間関係を繰り返しているときは、本当の原因を知ることが大切です。
人間関係で同じことを繰り返す原因を見つける方法
では、自分で本当の原因を見つけるには、どうすればいいのでしょうか。
まず見てほしいのは、これまで同じような人間関係の問題が起きたときに、毎回何が共通していたのかです。相手がどんな人だったのかだけではなく、毎回自分がどうしていたのかを振り返ってみてください。
たとえば、嫌なことを言われてもいつも我慢していた。相手に嫌われないように合わせていた。違和感があっても「これくらいは仕方がない」と関係を続けていた。頼まれると断れなかった。相手の機嫌が悪くなると、自分が何とかしようとしていた。
そして、「なぜそうしていたのか」も考えてみてください。その奥に、「人に嫌われてはいけない」「自分が我慢すればうまくいく」「嫌なことがあっても関係を壊してはいけない」といった、自分では正しいと思っている考え方が隠れていることがあります。
こうした考え方が、毎回同じ行動につながり、同じ人間関係のパターンを繰り返していることがあります。
ただし、自分が正しいと思っていることを、自分で疑うのは簡単ではありません。自分にとっては当たり前だからです。「当たり前だと思っていることが原因かもしれない」とは、なかなか考えません。
そのため、本当の原因に気づかないまま、同じ考え方で同じような対処を続け、結果として同じ人間関係の問題を繰り返してしまうことがあります。
同じようなことで何度も悩んでいる方は、まず「自分では当たり前だと思っているところ」に原因がないか、一度振り返ってみてください。
同じ人間関係を繰り返さないために
同じ人間関係の問題を何度も繰り返しているときは、自分が思っている原因と、本当の原因が違っていることがあります。
「自分が弱いから」「自分の性格が悪いから」「もっと我慢すればいい」「もっと努力すればいい」。そう思っていたとしても、本当の原因はまったく別のところにあるかもしれません。
原因を間違えれば、対処法も間違ってしまいます。反対に、本当の原因が分かれば、変える必要がない自分まで変えようとして苦しむ必要はありません。
まずは、これまで繰り返してきた人間関係の中で、自分がどんな考え方をして、どんな行動を取ってきたのかを振り返ってみてください。
そして私は普段、写真と相談内容から、その人自身も気づいていない本質や、悩みの原因を読み解く「写心鑑定」をしています。
「写心鑑定とはどんなものなのか」「写真から何が分かるのか」と興味を持ってくださった方は、こちらで詳しく紹介しています。

